中国と交渉開始で合意 トルコで第3原発計画浮上

トルコ首相府の投資促進機関が伝えた所によると、トルコ政府は国内第3番目の原子力発電所建設計画で中国と交渉を開始することになった。イスタンブールを訪れていた中国の習近平国家副主席が2月22日にトルコのA.ババジャン副首相との会談で合意したもので、両国間の貿易協力拡大の一環という位置付けになる。

両国間のビジネス・フォーラム終了後、記者会見で公表されたとしており、副首相は建設候補地点として同国北西部、ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパ側のクルクラーリ県に位置するイーネアダを挙げた。2023年までに3か所で原子力発電所を建設するという同国の目標の一部で、ロシアの支援で建設予定の地中海沿岸のアックユ、日本と韓国が受注を狙っている黒海沿岸のシノップに次ぐサイトだ。

200億ドル規模と言われるシノップ原発建設計画については、同国は2010年に韓国との交渉を打ち切った後、日本政府に優先交渉権を与えたが、福島事故後に交渉は長期にわたって途絶。今年2月にはR.T.エルドアン首相が自ら、韓国の李明博大統領に交渉の再開を要請していた。

現地の報道では、今回指摘されたイーネアダがトルコで2番目、あるいは3番目のサイトとなるかは日本との交渉次第であり、シノップ計画に関する韓国との交渉を再開したと副首相が発言したという。

この関連で、日本政府もトルコとの原子力協力協定締結に向け、1月に交渉再開で合意した模様。今月から福島事故後初めて、同国の首都アンカラで実務者協議を実施するとの情報が伝えられている。


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