裁判所が運転期間を制限 スイスのミューレベルク原発

スイスでミューレベルク原子力発電所(BWR、39万kW)を操業するBKW社は7日、スイス連邦行政裁判所が同発電所の運転期間を2013年6月28日までに制限する裁定を下したと発表した。

1972年に運開したミューレベルク原発は当初、2012年に閉鎖予定だったが、スイス連邦政府環境運輸エネルギー通信省(DETEC)は2009年、国の安全要件を満たしている限り無期限で延長できるとの判断を下した。しかし、福島事故を受けて連邦政府は昨年5月、国内の稼働中原子炉5基の平均稼働年数を50年と設定した上で、これらすべてを2034年までに段階的に閉鎖する政策を公表。ミューレベルク原発は運開後50年目に当たる22年の閉鎖が確定的となっていた。

しかし、今回、同発電所の「炉心シュラウドにひびがある」などとして安全性に疑いを持つ反対派住民らの提訴を受け、裁判所は09年の裁定を破棄。その上で、同発電所の運転期間を最大2013年半ばまでとする判断を下したもの。

また、同発電所の長期的な運転に関する包括的な保守点検コンセプトを、新たな運転認可延長申請書とともにDETECに提出するようBKW社に指示している。

BKW社としてはすでに、一般的な保守点検コンセプトは作成中であり、裁判所の裁定は今のところ拘束力を持つものではないと判断。このため、今後の対応は裁定内容を詳細に吟味してから決めたいとしている。


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