原子力シェアで選択肢 各委員が35〜0%推奨 総合エネ調がシナリオ検討へ

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は、19日の会合までに、各委員からの意見照会を集約し、エネルギーミックス選択肢の提示に向けた具体的議論を本格化させた。2030年を見据えたエネルギー構成に関する定量的立案を整理し、特に、電源構成では、原子力発電の比率を0%、20%、25%、30%などとランク分けし、他電源と対比させている。今後は、これらについて、経済成長、エネルギー需要の見通しなどをもとに検証していき、5月にもエネルギー・環境会議に提示するエネルギー・シナリオを決定する。

同委員会では、エネルギーミックスに関する各委員からの意見を、事前に共有しておき、14日の会合の場から、直ちに討議ができるようにした。提示すべきエネルギーミックスの選択肢は、「定量的なイメージと必要な政策の双方をパッケージとして含むものである」ことを確認し、続く19日の会合では、その定量的イメージについて、(1)成長率(2)エネルギー需要(3)エネルギー供給と選択肢の評価(4)経済影響分析――の評価軸で検証していくこととした。成長率については、(1)実質成長率10年代1.8%・20年代1.2%(成長戦略シナリオ)(2)実質成長率10年代1.1%・20年代0.8%(慎重シナリオ)――の2つを設定し、エネルギー需要については、日本エネルギー経済研究所や国立環境研究所によるモデルに基づき、推計、検証を行う。

3月中に暫定的な複数の選択肢を決定、4月からは、各選択肢に必要な政策手段も含めた総合的検討を行った上、5月半ばにも、エネルギー・環境会議へのシナリオ提示につなげる運びだ。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで