古里1事故報告遅れで徹底調査 韓国韓国原子力安全委員会は16日、古里原子力発電所1号機で2月に一時的に外部電源を喪失する事象が発生したにも拘わらず、その報告が1か月近く遅れた件について、関係者全員への聴き取り調査、および非常用電源の故障に関する徹底的な調査の経過を公表した。 この事象は同炉で定検中の2月9日に発電機保護リレーの試験を行った際、約12分間外部電源供給が遮断され、非常用ディーゼル電源も作動しない状態になったもの。残留熱除去系の作動等により安全上の問題はなかったが、事業者の韓国水力原子力(KHNP)が今月12日まで同事象を報告しなかった点を重く見、安全委は即日原子炉の停止を命じ、現場調査団を派遣していた。 原子力安全技術院の専門家23名で構成される調査団は、発電所従業員と所長、本部長およびKHNP本社の幹部を対象に報告隠蔽の正確な経緯を取調中で、これまでのところ、発電所所長までは事象を把握していたことが確認された。また、電力供給系統の調査については、事象発生時に起動しなかった非常用ディーゼル発電機の性能試験を15日に実施。内部の電磁弁が故障していたことが判明した。このため、安全委は残りのディーゼル発電機1台についても性能を徹底確認するとしている。 現在、停止状態にある古里1号機では、すべての外部電源が接続されており、原子炉の冷却機能と安全性は維持管理されている。安全委は調査の結果いかんで必要に応じて関係者を厳重に処罰する一方、再発防止に向けて発電所従業員の人的ミスとモラルハザード防止のための安全文化強化対策、電源系統の安全性強化策および原子炉停止時も安全な状態を24時間監視出来る方策案など、総合的な対策を検討していく。 報告が遅れた理由についてKHNP社は、「軽微な事象であり、直ぐに修復できたため」と説明。手動の非常用電源を起動するまでもなく復旧できると判断したと現地報道で伝えられている。 |
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