耐性検査で初の見解 安全委が大飯3、4号で 速やかな2次評価求める

原子力安全委員会は、23日の臨時会議で、関西電力大飯発電所3、4号機(=写真)で実施されたストレステスト(耐性検査)1次評価に関し、「(福島事故を踏まえた)緊急安全対策等の一定の効果が示された」などと評価する一方、2次評価を速やかに実施し、一層の安全性向上に努めるべきとする見解を取りまとめた。同委が個別プラントのストレステストについて、見解を示すのは初めてのこと。

ストレステストは、福島事故を踏まえ、安全委員会が同委設置法に基づき、原子力安全・保安院に対し要請した「総合的安全評価」で、設計上の想定を超える外部事象に対する安全裕度を多重防護の観点から把握するとともに、事業者自らによる実施、その評価結果に対する保安院の審査を通じ、施設の頑健性に関して総合的な評価を確認するのが主目的だ。1次評価と2次評価のうち、定期検査中のプラントについて実施する1次評価は、官房長官、経済産業相、原発担当相により昨夏に公表された合意文書で、運転再開の可否を判断するものと位置付けられており、今回、大飯3、4号機の1次評価結果について、技術的・専門的見地から、一定の評価が得られたことから、今後の再稼働に向けては、閣僚レベルでの判断に焦点が移ることとなる。

安全委員会では、2月13日に、保安院から大飯3、4号機の1次評価に関する審査結果報告を受け、専門家による検討会を五回にわたり開催、技術的検討を行った上で、このほど個別プラントとしては初の見解取りまとめに至った。1次評価については、地震および津波に対する施設の裕度を簡略な方法によって評価したものとみているが、個別の施設について、事業者による評価が提出され、規制行政庁による評価がなされたことは、「1つの重要なステップ」と評価している。

その上で、2次評価に向け、(1)事業者独自の努力・マイプラント意識(2)技術的背景(3)共通要因故障・従属要因故障の同定(4)シナリオ同定の頑健性(5)成功パスの頑健性(6)可搬施設による対処の考え方(7)経過措置の頑健性――の各項目から、安全委として留意すべき意見を示し、2次評価を速やかに実施し、一層の安全性向上を目指した継続的改善に努めるべきとした。特に、検討会でも議論となった成功パスに関しては、多様なパスを定量的に解析し、対処可能な範囲を広げる努力を行うべきなどと、頑健性をより向上するよう求めている。


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