ワッツバー2の完成作業を優先 米TVA

米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)は15日、昨年8月に建設再開を決めたベルフォンテ原子力発電所1号機の請負作業員430名を5月半ばまでにレイオフすると発表した。2007年に建設作業を再開したワッツバー原子力発電所2号機の完成計画との兼ね合いで優先順位を再設定した結果だと説明しており、ワッツバーに燃料が装荷されるまではベルフォンテの建設作業は再開しない方針だ。

出力126万kWのPWRとなるベルフォンテ1号機完成計画では、2018年から20年頃の完成を目標にTVA理事会が昨年8月、49億ドルの投資を承認。アラバマ州のサイトでこの作業に携わっている作業員は現在900名ほどで、このうち半数は発電所サイト勤務。残りはその他の地域の出張所で作業しており、レイオフされる430名のうち、サイトでの作業員は85名に過ぎないとしている。

一方、ワッツバー2号機の完成計画に関しては、TVAは昨年6月、米原子力規制委員会(NRC)の許可を受けてウェスチングハウス社から初装荷燃料の輸送を開始した。しかし、同年8月、同炉の営業運転開始時期を当初予定から1年先送りし、2013年になると発表。理由としてNRC原子力安全許認可会議による認可手続きの遅れと、福島事故にともなう包括的な安全性の改善等を挙げていたが、TVAのT.キルゴア総裁兼CEOは今年2月、完成が14年にずれ込む可能性を示唆していた。

同公社はまた、現在、同炉の完成までに要する総経費の見直し作業中で、キルゴア総裁は第2四半期までにこの作業を完了する見通しだと2月の理事会で報告している。

同総裁は総経費として2007年時点の見積り額である25億ドル以上を投入しても、ワッツバー2号機のコスト効果に変わりはないと断言。新たな見積り額が出たとしても同炉はTVAの電源構成における重要な一部分であり、今後もTVAがクリーンで信頼性の高い低価格な電源として原子力開発を継続していくことを強調した。


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