広野町長 帰還ビジョン持てるよう 企業誘致で雇用を確保

福島県広野町の山田基星町長は3月30日、翌31日をもって全町民避難指示を解除するにあたって、先行して役場を元に戻していた広野町役場で記者会見(=写真)を行った。

広野町では、昨年3月13日に東京電力・福島第一原子力発電所1号機の水素爆発を受けて、山田町長が住民の安全を最優先に考え、避難指示を出し、以来、町民のほとんどが南に隣接するいわき市内の仮設住宅で生活してきた。

昨年4月22日に出された政府の緊急時避難準備区域指定は、同町では9月30日、収束に向けたステップ1の達成により解除された。

それから約半年、広野町では、除染作業などを積極的に進め、今年3月1日には役場機能を広野町の本庁に戻すなど、平成24年中の住民の帰還完了に向けての対策を多角的に行っている。

しかし、住民としては、除染の整備が進んでいるとはいえ、買い物する店などの生活インフラの整備、そして雇用の場が確保されなければ、帰還に対してはビジョンが持てない状況にある。

同町としては、雇用確保対策のための企業誘致や広野町以外の双葉郡からの住民の受け入れなどについても復興計画に基づいて進めることで、住民の安心、安全な生活と利便性を高める施策を鋭意進めるとしている。


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