日英原子力サミットが開催 キャメロン首相 新規建設を重視 両国の原産協会、協力覚書を締結

英国のD.キャメロン首相来日にあわせ、日英両国の原子力関係者が参加して「日英原子力サミット」が10日、東京の英国大使館で開催された。同首相はこれまでの両国原子力協力の成功を評価し、廃炉等で今後の連携の可能性を示した。

サミットには英国から、同首相のほかJ.ベディントン政府首席科学顧問、J.クラーク英国原子力廃止措置機構総裁ら7名、日本側は枝野幸男経産相と細野豪志原発担当相、産業界から服部拓也原産協会理事長が参加して、講演などを行った。

キャメロン首相(=写真)は挨拶の中で、協力の歴史が長い日英両国が除染や廃炉でも協力する余地が多くあると述べるとともに、英国においては、将来の電力需要増加が予測される中で、原子力は重要な役割を果たすと明言。再生可能エネルギーの開発とともに高経年原子力発電所の更新の必要性を指摘し、政府としても民間と連携、支援したいとの考えを述べた。

枝野経産相は廃炉に向けた取り組みに対する英国からの協力の申し出を心強いと歓迎した。新たなエネルギー政策の策定を目指すわが国の役割は、福島事故の教訓を世界の原子力安全の向上につなげることだと指摘する一方、新規原子力発電所建設を計画する英国に対して「わが国の技術や経験は貢献できると確信している」とし、原子力を取り巻く課題解決にむけ、両国の強みを生かして「ウィン・ウィンの関係を深めたい」と強調した。

   ◇   ◇   

今回の原子力サミットの締めくくりとして、日英原子力協力の今後の進展に向け、基盤強化となる日英原子力産業協会の協力覚書の署名式が行われた。

英国の原子力産業界を代表する英国原子力産業協会のJ.ハットン会長(=写真左)と、日本側の服部原産協会理事長(=写真右)が覚書に署名した。覚書の中で、双方の原産協会は世界と両国の持続的発展に向けた原子力の重要性を示した上で、両国原子力産業界の対話、情報交換、コミュニケーション強化の重要性を確認。両協会は相互に賛助会員としての地位を定め、安全で平和的な原子力の利用を進めるため両国産業界の間での協力活動を支援していくことで合意した。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで