韓国、古里1電源喪失通報遅れで改善策 自動通報システムの構築など韓国政府の知識経済部は13日、4分野15項目の推進課題で構成される原子力発電所の運転改善総合対策を確定し、公表した。2月に古里原子力発電所1号機で発生した一時的な電源喪失事象の報告が1か月以上遅れた反省から、非常用ディーゼル電源などの特別点検を7月までに実施するほか、運開後20年以上が経過した古い原子炉については機器の交換を早める方針。また、人的要素の介入なしに自動的に原子炉の事故事象が通知されるシステムの構築などを通じて再発防止と安全性の強化を図る考えだ。停止中の古里1号機については、国際原子力機関(IAEA)の特別点検により再起動するか否か決定するとしている。 この運転改善総合対策は国務総理が主催する国家政策調整会議で決定したもので、(1)設備の健全性強化(2)透明性の向上、住民とのコミュニケーション強化(3)事業者である韓国水力原子力(KHNP)の組織の健全性と能力の強化(4)協力企業の能力向上――が主な柱。 (1)に関しては、今月20日までの日程で外部の専門家による立ち会いの下、非常用ディーゼル電源の性能試験を実施中なのに続き、発電所の操業全般に対して7月まで特別点検を実施する。 20年以上稼働している古里1〜4号機、霊光1、2号機、月城1号機、蔚珍1、2号機の9基については5月に脆弱性の高い機器を特定し、6月には予算や交換時期などの措置計画を策定。また、計画的に実施する予防整備点検についても、項目を100項目に倍増し、期間も現在の20〜30日を35〜45日に延長するとしている。 (2)では6月までに民間組織による監視機能を大幅に拡大・強化する。これまで地元自治体トップや住民代表などに限られていた原子力発電所への立ち入りを、市民団体などにも許可するよう手続きを緩和。事象発生時に自動的に通知される警報システムを年内に開発するほか、KHNPは発電所の24時間運転監視システムを本社に構築することになる。 (3)に関しては、安全確保を最優先とする運転目標や指標を設定し、IAEAの安全文化評価レビューチーム(SCART)を受け入れるなど、外部機関の審査を通じて安全文化を再生させるとともに従業員の意識改革を図る。長期勤務により運転が惰性に流れるのを防ぐため、外部の人材招聘や顧客と接する職務の配置循環も重要だ。 (4)では、海外の良好事例の分析等を通じてKHNPの自己管理監督能力を強化。米国のエクセロン社や仏電力(EDF)など、大容量の原子力設備を有する事業者の先進的な操業管理手法を導入して管理監督能力の向上を図る。また、専門的人材の確保状況や事業の遂行経験などを総合的に考慮して協力企業の能力と教育を強化。1社で10億ウォン以上の契約が取れるような企業の新規参入を促進し、品質を向上させるとしている。 |
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