Copyright (C) JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. (JAIF)
ここに掲載されている記事や写真などの無断転載はご遠慮ください。
澤昭裕・21世紀政策研究所研究主幹、NPO法人国際環境経済研究所所長自分は原子力の必要性を認めており、日本は資源のない国であるためバラエティのあるエネルギー選択肢を保っていくべきだと考えている。 他のエネルギー源と原子力との違いは、物理的にも巨大だが原子力の利益複合体も巨大であることだ。一般の人々はそれを敏感に感じ取っている。原子力関係者は常に意識して自制心を持ち、例えば安全基準を守った上でさらにトップランナーとしての取り組みを見せるなどの姿勢が大切だ。今後のエネルギー政策を進めていくには、国民の信頼を取り戻していかなければならない。 それにはまず、政策の必要性をきちんと説明することが大切だ。プロセスをきちんと提示した上で法的な枠組みを再構築していくべきである。 また、原子力賠償の財務リスクをプールする仕組みを整えることも重要だ。低線量被ばくの科学的な説明もきちんとなされぬまま、どんどん厳しい方向へ進んでいけばファイナンス面で膨らむ一方だ。国と民間がどのように関与していくべきかもう一度原子力賠償法を見直す必要がある。 そして、原子力発電の安全対策をヒューマンファクターのようなソフト面からも取り組んでいくべきである。事故後に安全対策を行ったとして発表した内容は全てハード面だった。想定外のトラブル時には、対策を考える能力など人間力が必要となってくる。日本も人材組織をトレーニングするプログラムを整備し、原子力従事者の質を向上していくべきだ。 |
お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |