2030年最大で原子力シェア34% 「国民的議論」へ定量的データ取りまとめ 新増設2基を想定 総合エネ調 原発ゼロも選択肢

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は4月末までに、エネルギーミックスに関するこれまでの議論を受け、原子力発電の新増設、火力発電の燃料構成、自家発・コジェネの導入量について、2030年を見通した定量的データを整理し、さらに委員からの意見を求めた。5月に入り、9、14日と、集中的に審議を行い、月内のエネ・ミックス選択肢提示に向け、「国民的議論」に関する議論も行う。

基本問題委員会では、エネ・ミックスに関する委員からの意見照会を踏まえ、26日の会合までに、原子力発電比率で、数値なし、0%、20%、25%、35%の選択肢と、参考ケース15%に整理している。

資源エネルギー庁は同日の会合で、原子力発電プラントの新増設を、無し、1基、2基の3つに、それぞれについて、稼働率70%、80%を想定、さらに、稼働年数を40年、50年、60年の3通りに組み合わせた30年時点での原子力発電量および総発電量(1兆kWh想定)に占める割合について試算結果を示した(=2面に表)。新増設は、実際にかかわらず、1基当たり150万kWを想定している。

それによると、最も依存度の低い「新増設無し、稼働率70%、稼働年数40年」のケースでは、発電電力量が1302億kWh、割合が13%に、一方、最も依存度の高い「新増設2基、稼働率80%、稼働年数60年」のケースでは、発電電力量が3444億kWh、割合が34%などとなった。

新増設と稼働率の条件が同じ組み合わせではいずれも、稼働年数60年の場合が、40年の場合のおよそ2倍の発電量・割合となっている。ちなみに、10年度の原子力発電量は2882億kWh、全発電量に占める割合は26.4%。


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