「伊方3号の評価、困難」 班目原子力安全委員長が苦慮 法定の志賀1プル利用審査は実施班目春樹・原子力安全委員長(=写真)は17日の記者会見で、今後、政府が新たに設置をめざす規制機関について、政府・民主党と自民・公明党の対案で大きく異なっている委員会の法的位置付けについて、国家行政組織法上の三条委員会(行政委員会=野党案)と八条委員会(諮問委員会=政府案)の違いについて、記者からの質問に答えた。 今回の福島事故時に、原子力安全委員会がいまの八条委員会でなく三条委員会であったなら、何が可能だったかと問われ、班目委員長は「現在、我々の委員会は審議会であって、実際に規制業務に当る手足(スタッフ)は持っておらず、事故時にはあくまでも助言組織だ。我々は、法令に定められた業務には最善を尽くしたつもりだが、足りなかったところについては、今後、調査委員会などで結果が出てくるのではないか」と答えるにとどめた。 また同委員長は、伊方3号機のストレステストの審査の今後の取り扱いについて、(1)4月16日付けで久住委員をはじめ3委員(定員5名)が任期満了を迎え、全員再任の意志はないと明確な状態(2)細野豪志・原発事故担当相が早期の新組織設立を目指している(3)同相が大飯3、4号機以降のものは新規制機関での審議方針を示している──との3点を挙げて、「どうしたものか、悩んでいる。個人的にはいまの状況でスタートできるとはとても思えない」と述べた。5月10日の記者会見で班目委員長は「いま現在、外部の専門家に(審査を)頼めるような状況にない」とも説明している。 また、10日の記者会見で班目委員長は、北陸電力・志賀1号機でのMOX燃料装荷のダブルチェックを実施することにしたことについては、「原子力安全委員会が存続している間に答申できる自信は全くないが、原子炉等規制法で安全委員会の意見を聞かなければならないと明記されていることから、行政の空白をつくらないよう、これはやろうと思っている」と述べた。 |
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