国策推進の国に責任 菅元首相 海水注入必要と認識

28日の国会事故調査委員会は、菅直人・元首相を参考人としてヒアリングを行った。

菅・元首相は、今回の事故は、国策として続けられてきた原子力発電所によるもので、最大の責任は国にあるとし、事故当時の国の責任者として謝罪した。

3月12日早朝に原子力発電所の視察を行ったことについては、発電所の責任者と直接会うことで状況把握ができると考えたと説明した。

真水がなくなった場合に海水注入が必要なことは、菅首相、海江田経産相、専門家の間で一致しており、淡水から海水に切り替えることによって再臨界が起こるとの認識はなかったが、武黒一郎・東京電力フェローが海水注入を止めたとし、原子力のプロがなぜ注水を止めろと言ったのか理解できないと述べた。

東京電力が全面撤退を申し出たのではとされる問題については、15日午前3時頃に海江田経産相から東京電力の撤退の連絡があったことを聞き、撤退はとんでもないと感じたことを語った。

福島原子力発電所事故について、日本の病根を照らし出した問題だと認識し、原子力ムラの組織的構造を解体して日本は脱原発社会を目指すべきだと強調した。

事故現場の作業員に対して、「一番厳しい状態であることは東電のみなさんが最も理解しており、その中で最後の最後までやっていただいた。みなさんの国を思う気持ちがあって何とか事故がさらに拡大せずにとどまった。心からお礼と敬意を申し上げたい」と謝辞を述べた。


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