「原発は重要な電源」 野田首相会見 大飯3、4号で再稼働判断

野田佳彦首相(=写真)は8日、官邸内で記者会見を行い、国による原子力安全対策の取組やエネルギー安全保障の観点から、「原発は重要な電源」との認識を強調し、立地自治体への敬意と感謝の意を述べた上、国民生活を守るため、関西電力大飯3、4号機(福井県・おおい町)を再起動すべきとの判断を示した。また、大飯発電所以外についても、「丁寧に個別に安全性を判断していく」としている。

これを受け、福井県の原子力安全専門委員会(委員長=中川英之・福井大学名誉教授)は、10日に会合を召集、翌11日、「福島第一事故を教訓に想定すべきとされる地震・津波が来襲しても、原子炉の安全を確保するために必要な対策は確保できている」とする報告書をまとめ、西川一誠知事に提出した。知事は12日の現地視察や、県議会、おおい町の意見を踏まえ、地元としての運転再開の是非を判断する。

野田首相は、8日の会見の冒頭、電力需要のピークを控え、自身の判断は「最大の責務」として、「国民生活を守る」問題に対する重要性を強調した。その上で、福島を襲ったような地震・津波が起きても、事故を防止する対策・体制はできている状況で、計画停電や電力料金の大幅な高騰といった日常生活への悪影響を避けるため、原子力発電を止めると、「日本の社会は立ち行かない」などと述べ、総括的判断として、大飯3、4号機を「再起動すべき」とした。

また、原子力安全規制改革の関連法案の早期成立が期待されているところ、政府の安全基準は「暫定的なもの」とみて、運転再開に際して、国の一元的な責任の下、特別な監視体制を構築するとしている。

さらに、再起動問題とは別に首相は、中長期のエネルギー政策についても言及し、「国の行く末を左右する大きな課題」とした上で、政府としての選択肢を示し、国民的議論を行い、8月を目処に決定すると述べた。


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