オフサイトセンター見直しへ 原子力保安院

原子力安全・保安院はこのほど、原子力施設ごとに指定されるオフサイトセンターの機能、立地に関する基準見直しに向け、専門家からの意見聴取会を始動した。福島原子力発電所事故の対応で、オフサイトセンターが機能不全となり、原子力安全委員会の防災指針における対策区域の見直しが示されたことなども踏まえ、ハード・ソフト両面から改善を検討するもの。

福島原子力災害では、初動時の迅速な避難対応、市町村参集、オンサイト対策の情報集約・対応協議など、本来の役割を果たせず、さらに、避難区域が立地地点も含めて拡大し、機能が福島県庁に移転されたため、結果として、施設そのものは十分に機能しなかった。

これら課題を踏まえ、保安院は、オフサイトセンターの機能、立地に関する基準見直しに着手する。安全委による防災指針見直し案が施設から概ね5km圏内として示す「予防的防護措置を準備する区域」(PAZ)の住民避難は、緊急事態宣言と同時に自治体に指示、初動段階での避難指示は中央から直接、自治体に行うことを明確化するなど、国の幹部・関係省庁の現地参集に長時間を要したことを省み、官邸と現地対策本部の役割分担等、初動体制を見直すほか、連絡体制の抜本的強化も図る。


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