建設・運転会社が株公開 中国 原発建設で資金調達

中国核工業集団公司(CNNC)が昨年12月に創設した中国核能電力股有限公司(CNNPC)は8日、上海証券取引所で初めて自社株を公開(IPO)することになったと発表した。現在建設中および計画中の原子力発電所5サイトについて資金調達するのが目的で、これらへの投資総額は1735億2400万元(約2兆1000億円)を見込んでいる。

CNNPCはCNNCのほかに、長江三峡集団公司や海上輸送集団公司などが協同出資した合弁事業体で、CNNCが所有する秦山と田湾、両原発の稼働中原子炉9基、およびその他で建設中の10基について建設と運転を担当。今回資金調達の対象としているのは、現在建設中の福建省・福清1〜4号機、秦山原発の拡張工事と位置付けられる方家山1、2号機、ウェスチングハウス社製AP1000となる浙江省の三門1、2号機、海南島の昌江1、2号機、および江蘇省で計画されている田湾3、4号機の合計5サイト・12基だ。

CNNPC株を公開する方針は中国環境保護省が5日付けの声明を通じて外部に公表したが、IPOには政府の承認が必要で、その手続きの一環として同省はCNNPC所管の原子力発電所について環境影響評価を実施した。同省ではこれらすべてで環境に対する放射線影響レベルが中国の基準を下回るなど環境保護規制を満たしていると明言。規制当局から最終承認を得るために予備報告書を15日までの10日間、公開諮問に付した。

同省はまた、福島事故後に国家核安全局の要求により国内原子力発電所の安全性改善活動を開始しており、一部については完了したほか、未完のものについても鋭意進めていると指摘。同事故により中国の原子力発電開発を覆っていた影が次第に薄まりつつあると強調している。


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