濃縮バンクがウクライナへ供給 ロシア

ロシアによる低濃縮ウラン供給バンクである「国際ウラン濃縮センター(IUEC)」が5月29日、ウクライナの国営核燃料会社と原発用燃料の供給契約に調印した。ウクライナの天然ウランをアンガルスクにあるIUECのウラン濃縮ラインで低レベル濃縮し、ロシアの燃料企業・ツベル社が燃料集合体に製造加工するという契約で、今年の秋にも初の製品がウクライナに向けて出荷されることになる。

IUECは国際原子力機関(IAEA)加盟国の原発で低濃縮ウラン(LEU)の供給が途絶し、国家間の調整その他で解決しない場合に、核不拡散上の懸念がないことやIAEAの包括的保障措置受け入れなどを条件に、IAEA事務局長の確認の下でLEUが市場価格で提供されるという燃料バンク。2010年12月にIAEA理事会で設置が決定していた。

IUECの所有権は70%をロシアが握っているが、カザフスタンとウクライナがそれぞれ10%を取得。5月24日にはアルメニアも10%を取得済みである。ウクライナは出資者として一層廉価での購入が可能になるが、購入量は出資比率で規定されている。


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