修正規制委法が成立 衆参で可決、9月までに設立

20日の参議院本会議で民主、自民、公明3党が修正協議して取りまとめた「原子力規制委員会法案」が賛成206票、反対28票で可決、成立した。同法案は、政府提案の原子力規制庁等設置法案と自公共同提案の「原子力規制委員会法案」を、衆院環境委員会の3党理事が協議して、自公案をベースに取りまとめたもので、政府からの独立性をより強いものとした。同委員会は3か月以内に設置される。同時に、原子力委員会の役割も原子炉等規制法の一部改訂により法的に大きく見直されることになる。(2面に関連記事)

衆議院の環境委員会に提出された与野党の2法案。15日午前、前日に民主、自民、公明3党で、自公両党が提案していた「原子力規制委員会法案」を基本にした修正協議で最終合意したことを受け、民主党理事の近藤昭一議員が3党共同提案の法案趣旨説明を行い、質疑の後、委員会提出法案として決議し、自民党理事の田中和徳議員が法案の趣旨説明を行った後、起立多数で可決。同日午後には衆院本会議に緊急提出され、生方幸夫・環境委員長が経過報告、賛成多数で可決された。

同法案の概要は、1)環境省の外局として「原子力規制委員会」を国家行政組織法上の3条委員会として設置2)現在の原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文科省および国交省の原子力安全規制、核不拡散のための保障措置等を移管し、一元化3)同委員会の事務局として「原子力規制庁」を設け、全職員のノーリターンルールの適用(5年間猶予)4)原子力安全基盤機構(JNES)の早急な同規制庁への統合5)内閣府に「原子力防災会議」(議長=首相、事務局長=環境相)を設置6)最新の技術的知見の反映(バック・フィット制度)の導入7)運転期間の原則40年制限(同委員会規則で定める基準に適合する場合、1回限り最大20年間の延長可能)8)事故時の原子力災害対策本部長(首相)指示対象から、原子力規制委員会が行う原子力施設の安全確保を行う判断を除外9)委員長および委員の任期は5年(初任委員は2人は2年、2人は3年)──が盛込まれ、規制委員会の発足施行日は、公布日から3か月以内、原子炉等規制法の改定は施行日から最大1年3か月以内で段階的に施行。

参院では15日本会議で趣旨説明、18日から3日間連日、環境委で審議が行われ、20日に賛成多数で可決された。みんなの党、共産党、社民党、新党改革、新党大地などが反対した。

委員会の審議で、原子力規制委員の選任について、生方環境委員長は、内閣が人選し、国会承認を図る前に、議院運営委員会で審議・審査することになると述べた。


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