ホライズンの購入検討 露が英国の計画に参入希望

ロシアの原子力総合企業であるロスアトム社は8日、英国での原子力発電所新設計画から3月末に撤退を表明したホライズン社の株式取得に関心を抱いていることを認めた。

同社のS.キリエンコ総裁は「今のところ具体的な提案はしていない」と述べる一方、同国の原子力開発計画が現在の欧州では最も意欲的だとし、これまでの核燃料供給に加えて、原子炉の供給についても同国の原子力市場への参入を目指したいと明言。この関連で同社のK.コマロフ副総裁も、4日から6日までモスクワで開催されていた「アトムエキスポ2012」で、トルコで用いた手法なら同社が投資家として、また原子炉の供給者としても同市場に参入可能だと明言していた。

英国ではドイツのE・ON社とRWE社による合弁事業体のホライズン社がウィルファおよびオールドベリー両原子力発電所で、原子炉の新設用地を確保。合計600万kWの原子力発電設備建設を計画していたが、福島事故後のドイツの脱原子力政策により、両社ともに大きな財政的損失を被ったとしてホライズン社の売却を決定。新たな所有者を募集している。

ただし、ロスアトム社が英国の原子力市場に参入するには、ロシア型PWR(VVER)設計の認証手続きも含めて多くの予備的作業が必要。現在、新設計画で採用される第一陣の設計として、ウェスチングハウス社製・AP1000と仏アレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)の2件についてのみ、包括的設計承認(GDA)審査が進められている。このため、ロスアトム社はGDAへの申請時期や審査に要する期間なども合わせて詳細を検討すると見られている。


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