「全社一丸、新生東電」 新経営陣体制でスタート

東京電力は、6月27日の株主総会および取締役会で、5月に内定していた下河邉和彦氏(弁護士)の会長就任と、廣瀬直己・常務取締役福島原子力被災者支援対策本部副本部長の社長就任を正式決定、新体制への移行に伴い、会長を本部長とする「経営改革本部会議」を設置するなど、「新生東電」の実現に向け、新たなスタートを切った。

東京電力は、去る5月9日に、国からの総合特別事業計画認定を受け、これに基づき、原子力被災者に対する賠償、事故炉の廃止措置、電力の安定供給の責任を果たすべく、抜本的な経営の合理化を進めていくこととしている。改革を推進していくための体制として新たに設置された「経営改革本部会議」は、会長を本部長、社長を副本部長とし、経営全般についての情報共有を図るとともに、重点経営課題に対する対応方針や方向性を審議する。また、それを運営する部門組織として、会長・社長によるリーダーシップを補佐し、経営改革を具体化するための施策検討・推進を行う「経営改革本部事務局」が置かれることとなった。

株主総会翌日の28日、本社で記者会見に臨んだ下河邉会長は、福島原子力事故による社会への影響に対し陳謝の意を述べるとともに、「供給側の論理に陥り、社会とのコミュニケーション能力に欠けていた」といった反省に立ち、信用を地道に積み重ね、原子力災害で失われた信頼を取り戻すよう、「血のにじむような努力」で、今年を「最後で最大の改革の機会」ととらえ、全社一丸で取り組んでいく決意を示した。

また、廣瀬社長も、「『新生東電』は社会の理解なくしてなしえない」などと、信頼回復の重要性を述べたほか、電力の安定供給にも言及し、新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の運転再開に関しては、「先行き含め大変厳しい」としながらも、「計画ありき」ではなく、地元の理解が大前提であることを強調した。


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