【原子力発電所運転速報】 6月、全プラントが全期間通じ停止 電力最需要期控え、急がれる再稼働

原産協会の取りまとめによると、6月は、国内の全原子力発電所が全期間を通じて停止したため、表中で、各社各プラントとも、発電電力量、設備利用率、稼働時間、時間稼働率、いずれもゼロが並ぶこととなった。

11年3月の福島原子力事故発生以降、定期検査中にある原子炉の再稼働ができず、設備利用率は下降をたどり、最後に運転中だった北海道電力泊3号機が、5月5日に定期検査入りしたため、国内から運転中の原子力発電所がない状態となっている。

7月に入り、関西電力の大飯3号機、同4号機の順に、間もなく発電を開始することとなりそうだが、盛夏電力最需要期を控え、他のプラントについても、安全確保と立地地域の理解を大前提として、再稼働が急がれるところだ。

日本原子力発電の東海第二発電所、東北電力の女川発電所、東京電力の福島第一・第二発電所は、東北地方太平洋沖地震による直接的影響で、現在も停止しているのだが、それ以前から停止している東京電力柏崎刈羽2〜4号機(07年7月〜、中越沖地震他)、中国電力の島根1号機(10年3月〜、点検不備他)など、さらに長期的に電力供給の戦列から退いているプラントもある。

11年5月の政府要請を受け、運転を停止し津波に対する防護対策を進めている中部電力の浜岡発電所では、併設するPR館で実物大防波壁模型を展示するなど、同社が取り組む安全対策の広報に努めている。また、同社は1日、浜岡発電所内に、原子力安全技術研究所を新たに開設し、大学、研究機関などとも連携し、現場を有効活用した安全研究に取り組むこととしている。


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