大飯3号機がフルパワー達成 関西電力 続く4号機も再稼働準備 2か月ぶりに原発ゼロ脱出 福島事故後、先駆けて

1日に原子炉を起動した関西電力の大飯原子力発電所3号機(PWR、118万kW=写真)は9日、定格熱出力一定運転を開始した。福島原子力事故後、定期検査中のプラントが運転再開するのは初めてで、国内では、北海道電力泊3号機が5月5日に定期検査入りして以来、およそ2か月ぶりに運転中の原子力発電所がない状態が回避されることとなった。大飯3号機再稼働を受け、関西地域の電力安定供給に道が開かれつつあるが、夏場の需要ピークを控えて、依然厳しい状況にあり、続く4号機の再稼働に向けた準備作業が急がれている。

大飯3号機は、大震災発生から1週間後の11年3月18日より定期検査に伴い停止していたが、6月までに、同4号機とともに、首相ら関係4大臣の会合で、再起動に関する「安全性」と「必要性」をいわゆるストレステストの1次評価で確認、立地自治体の了解を得て、再起動が最終決定された。

3号機は、1日に原子炉を起動、翌2日に臨界に達し、5日に並列、出力上昇試験を経て、9日午前1時に定格熱出力一定運転となった。4号機についても現在、原子炉起動に向けた作業が進められており、順調に運べば、7月中にも定格熱出力一定運転となりそうだ。関西電力の八木誠社長は、大飯3号機の定格熱出力一定運転を受け、国、関係自治体の尽力に謝意を述べるとともに、引き続き、安全・安定運転に努め、グループ総力を挙げて電力の需給安定を図るなどとしている。

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藤村修官房長官は9日の記者会見で、大飯3号機の再稼働に伴い、10日からの節電目標を、関西電力管内で、一昨年比15%以上から同10%以上に変更すると発表した。

また同官房長官は同時に、中部電力・北陸電力管内で同4%以上、中国電力管内で同3%以上に変更された節電目標(電力融通のため)は、続く大飯4号機の再起動が確実となった段階で、数値を伴わない一般的な節電要請に切り替え、四国電力の節電目標は同7%以上から同5%以上に変更できる見通しを示した。


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