電力改革委 年内に制度設計へ 発送電分離など基本方針

経済産業省の総合資源エネルギー調査会電力システム改革専門委員会(委員長=伊藤元重・東京大学経済学研究科教授)は13日、需要サイド、供給サイド、送配電分野における改革の方向性、および詳細設計へ向けた検討課題を盛り込んだ基本方針を取りまとめた(=写真)。

震災に伴い、原子力を中心とする大規模電源の遠隔地集中の限界とリスクが顕在化したことなどに鑑み、同調査会基本問題委員会で、需要家への多様な選択肢の提供、送配電部門の強化・広域化など、現行の電力システムに関する課題が提起されたのを受け、1月より専門委員会で審議を行ってきた。

このほど取りまとめられた改革の基本方針は、「国民に開かれた電力システムを目指して」と題しまず、需要サイドの改革を述べ、「すべての国民に『電力選択』の自由を保証する」として、小売前面自由化(地域独占の撤廃)を掲げている。

供給サイドの改革では、国際競争力の強化に向け、発電の全面自由化、卸電力市場の活性化などを、送配電分野の改革では、全国大の広域的なネットワークを整備し、公平で自由な電力プラットフォームを提供する考えから、需給バランスの維持と運用に責任を負う「広域系統運用機関」の創設などを述べている。

専門委員会では今後、年内を目途に、改革に向けた具体的制度設計の検討を進める。


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