廃炉は国際協力不可欠原産理事長 福島に開発拠点を

日本原子力産業協会の服部拓也理事長は13日、「福島の廃炉に向けた研究開発は国際プロジェクトで」と題するメッセージを発表した。

理事長メッセージでは、福島事故の国内外への影響の大きさを考えるとき、「『皆同じ船に乗り合わせている』との認識に立ち、事故の教訓を世界と共有し、原子力の安全確保に活かしていく必要がある」と強調している。

福島第一原子力発電所の廃炉対応については、今後30年から40年の長期にわたる事業であり、溶融燃料の取り出しなど、高放射線環境下での作業については、「多くの研究開発を要することから、国内だけでなく、世界の叡智を結集してこれに取り組むことが必要不可欠である」と訴える一方、「この事業にスピード感をもって対応することにより、地元の方々に早く安心していただけることが重要だ」としている。

具体的な国際協力の進め方については、多くの国々から支援・協力の手が差し伸べられているにもかかわらず、日本側に「受け止めるオープンな場が効果的に活かされていない状況だ」と指摘、我が国が率先して、「IAEAやOECD/NEA等の国際機関を活用するなどして、世界に開かれた研究開発のプラットフォームを構築すべきだ」と主張している。

また、福島の廃炉を進める過程で得られる技術は、「ロボットなど過酷な条件に適用できる最先端の技術となる」とした上で、将来的には千基を超える廃炉を考える時代に備え、福島原子力発電所の近くに「国際研究開発拠点」を設立することを提案している。このことは、福島事故の最大の課題である福島地域の復興や活性化にも寄与できると期待される。


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