安全保障上のエネの重要性強調 日立イベントで 寺島実郎氏が講演日立製作所は19、20日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで「日立イノベーションフォーラム2012」を開き、日立の経営方針や今後の事業展開、著名人による特別講演、ITを活用したスマートシティー構想を中心とした各種展示などを行った。 この中で、総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会の委員でもある寺島実郎・日本総合研究所理事長が「世界の構造転換と日本──3・11の衝撃を超えて」と題して基調講演を行った。 寺島氏はまず、「このごろ海外出張から日本に戻ってくるたびに強く感じるのは、日本では新しくものを生み出すことより、いまあるものの配分で自分がいかにうまく立ち回るかにきゅうきゅうとしていることだ」とし、「自分がいま生きている時代をどう認識するか、時代のニーズをどう捉えるか、時代認識こそ経営そのものだ」と語った。 同氏は、2011年に世界人口が70億人を超える中で、日本は07年に1億2800万人でピークアウトし、少子高齢化が進んでいる現状を指摘、アジアダイナミズムとエネルギー・パラダイムの観点から話を進めた。 その中で寺島氏は、エネルギー問題の重要性を指摘し、福島事故直後の昨年3月21日に「『東日本大震災』対応戦略試案──日本創生への起点として」と題する文書を発表、事故状況の把握と正確な情報発信の重要性を指摘していた。 寺島氏は、被災地の経済損失の大きさと、同年夏の電力安定供給への対策の必要性を強調する一方、その前年の2010年6月に政府が決定していた「エネルギー基本計画」の早期の見直し着手の必要性を説き、その後、経産省「総合エネルギー調査会」の委員として、四度にわたって意見書を提出し、特に同氏はグローバルな視点から、日本の安全保障(米国の核抑止)やエネルギー安全保障の観点から、エネルギーの必要性を主張した。 |
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