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[新刊抄]エナジー・ウォッチ 英国から考える3.11後の電力問題 野村宗訓日本と同様に島国でありながらも、欧州連合に属しその影響から逃れられない英国。本書は関西学院大学産業研究所所長で経済学者である著者が、それぞれの時代によって変化する欧州および英国の政治や産業とともに、官民連携で進められてきたエネルギー事情を見つめていく。民間の自由なエネルギー競争を基本としながらも、社会生活の基盤であるエネルギー供給の安定を保つため、市場バランスを欠いた時には公的機関が政策に基づいて緩急の対応策を駆使してきた様子が明らかにされている。また、英国の鉄道改革で旅客列車運行会社と線路等を管理するインフラ会社をそれぞれ民間に売却した「上下分離」など、発送電分離を考える上でも示唆に富む事例も豊富なデータとともに紹介されている。 第1章では、「原子力発電の将来〜競争下で維持できるのか」として、料金競争の煽りを受けて岐路に立たされる英国の原子力の状況について、廃止措置をはじめとする政府の支援状況など多角的な視点から現状および将来像を分析している。 同文舘出版、2300円+税。 |
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