[原子力産業新聞] 2012年8月9日 第2634号 ＜2面＞

「核兵器のない世界を」野田首相　広島原爆慰霊式で挨拶

野田佳彦首相は６日、広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式で挨拶に立ち、「人類史に刻まれたこの悲劇を二度と繰り返してはならない」として、死没者への哀悼の意とともに、「『核兵器のない世界』を目指して行動する情熱を世界中に広めていく」などと述べた。

野田首相は、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を掲げた上、被爆者の高齢化が進む中で、軍縮・不拡散教育の重要性を強調し、市民の取組を原動力に、被爆体験を国境や世代を越えて伝承していく必要を訴えた。

また、福島原子力発電所事故に関連し、広島からの福島再生に向けた支援に対し謝意を述べたほか、「脱原発依存の基本方針のもと、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」と述べた。

藤村修官房長官は、６日の記者会見で、首相から、エネルギー・環境に関する「ゼロシナリオ」の場合の課題を整理するよう指示があったことに関して、「経済界などからも『本当に実現可能なのか』など、幾つかの問題点も指摘されており、それに応えるだけの資料を検討することだ」などとし、国民的議論についても検証・集約の上、政府として、丁寧に説明していくなどと述べた。

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