ウィルファ1 2014年まで稼働へ 英国 閉鎖炉の燃料を転用

英国原子力規制局(ONR)はこのほど、4月に営業運転を終了したウィルファ原子力発電所2号機(GCR、56.5万kW)の燃料を同型・同出力の1号機に転用することを許可した。これにより、1号機は運転認可の切れる2014年9月までの操業が可能になった。

ウィルファ原発の2基は世界の原子力発電開発の中でもパイオニア的存在であるコールダーホール発電所をベースとする旧型のガス冷却(マグノックス)炉。同国のオールドベリー原子力発電所1号機(23万kW)が今年2月に閉鎖された後は、世界で唯一の同型発電所となった。

ウィルファ発電所を操業するマグノックス社は今年4月25日、運開後41年が経過した2号機を停止し、再起動せぬまま閉鎖とした。その理由はマグノックス合金で被覆した燃料がすでに製造されておらず、限られた燃料ストックを同1号機に流用し、その運転認可期限一杯まで操業可能とするため。同発電所には昨年12月に最後の燃料が納入されていた。

ONRは今回、2号機で部分的に使用した燃料が1号機に転用可能となるよう同発電所の操業規則の一部修正を承認した。「原子炉間の照射化燃料交換(IRX)」と呼ばれるこの手続きはオールドベリー原発ですでに実績があるが、ウィルファ原発では初めてのこと。マグノックス社は同プロセスが安全裏に行えることを保証するため、操業規則の複数の変更点を特定しており、ONRの専門家チームは同社がそれらを安全に実施可能であると認めたことになる。


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