10月より滞留水を分析 1号機格納容器 作業員3000人を確保

福島第一原子力発電所廃止措置の進捗管理を行う政府・東京電力中長期対策会議は、8月27日の運営会議で、最近の作業状況を確認するとともに、1号機格納容器で滞留水のサンプリングを含む内部調査を10月より実施するなど、今後の計画について東京電力より説明を受けた。

中長期対策会議は7月末、福島第一廃止措置に関するロードマップの改定を実施、今回の運営会議では、それ以降の1か月間における進捗状況と、プラントの安定状態維持・継続に向けた近時の計画が報告された。

その中で、原子炉格納容器(PCV)内部調査に関しては、これまでの目視映像取得、雰囲気温度・線量測定、水位・水温測定に加え、1号機については、滞留水の採取・分析、監視計器の常設を、10月上旬より実施、データの信頼性を検証し、燃料デブリの分布・性状等の把握につなげていく。調査に用いるPCV貫通部は、作業性・アクセス性を考慮して1階とし、周辺の線量が低い部位を選定する。作業ステップは、貫通部の穴開け、CCDカメラによる内部調査(下部)、滞留水の水位測定、PCV内の線量測定(10か所)を行った後、首振り機構を持つパン・チルトカメラによる内部調査(上部)を実施し、滞留水を採取(250cc)する。

構内貯留水に含まれる放射性物質濃度をより低く管理するため、12年度内に整備する多核種除去設備では、確証試験を実施した結果、ストロンチウム89、ストロンチウム90、イットリウム90についても、検出限界値未満となることが確認された。機器設置の進捗状況は、17日時点で約75%となっている。

1〜3号機の原子炉圧力容器底部温度、格納容器気相部温度は、26日現在、約35〜55℃で、放射性物質の放出量等のパラメータについても有意な変動はなく、総合的に冷温停止状態を維持している。

また、要員管理に関しては、9月予定の工程に向け必要な協力企業作業員約3000人の確保が可能と見込まれており、7月における地元雇用率は約65%と報告された。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで