[原子力産業新聞] 2012年9月6日 第2637号 ＜2面＞

事故調報告受け決意と反省表明　原子力委員会

原子力委員会は８月３０日、東京電力・福島原子力発電所事故の国会および政府の事故調査・検証委員会による最終報告書が出されたことを受けて、同委員会としての決意や反省を盛込んだ文書を委員会決定した（＝写真）。

同文書では、これまで原子力委は原子力大綱をはじめ、さまざまな提言や意見を表明してきたが、“最も反省すべき”点として、「専門家や国民の意見を広く聴いた上でこうした提言を行ったにも関わらず、関係者に対して提言を尊重しての取組みを行うよう強く求めるイニシアティブをとれなかった」とした上で、「法律に認められている原子力利用に関する重要事項に関する勧告権を行使することもなく、しつこさを欠いた」と反省している。

その原因として、「原子力安全委員会の存在に配慮するなど、原子力利用に係る推進行政と安全規制行政の分離の原則やその制度的枠組みに過度に意識が捕らわれてしまったため」と自己批判している。

今後は、「国民の声に注意深く耳を傾け、それを踏まえた提言や意見の表明を行っていく」としている。

また同日、「秘密会議」問題の検証チーム報告を受け、委員会運営のあり方などを示した文書を暫定版として取り決めた。

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