「原発ゼロを目指す」 民主代表選 全4候補が表明

民主党代表選は10日午前に告示され、21日の代表選出大会での投開票に向けて選挙戦が始まった。再選を目指す〈写真右から〉野田佳彦首相(55)のほか、赤松広隆・元農相(64)、原口一博・元総務相(53)、鹿野道彦・前農相(70)の4氏の争いとなり、10日午後、東京都内のホテルで共同記者会見を行い、立候補の決意表明と基本政策を発表した。

野田首相は、「日本を立て直す4本柱」として、(1)経済再生(2)分厚い中間層に支えられた、温もりのある社会(3)政治・行政・地域主権改革の断行(4)国家の自立と、アジアに繁栄の秩序をつくる──を挙げた。

原子力政策については、6日の民主党「原発ゼロ政策」(2面に記事)をベースに、「『原発ゼロ社会』を目指して現実的な改革を進め、原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とした。同時に、「エネルギー不足と価格高騰による国民生活・経済への悪影響を排除し、当面の緊急事態対応に万全を期す」としている。

具体策として、「原発ゼロ社会」を目指し(1)原発の新増設は行わない(2)原発の40年運転制限を厳格に適用する(3)原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼働する──を3原則として確立するとし、「今週中に政府の方向性を決めていきたい」と述べた。

また、廃炉・除染技術、使用済み燃料処理システム技術の開発・実用化を国家プロジェクトとして推進するとした。この他、電力システム改革を進め、来年度予算から集中投資を実行すること、特別会計改革、独立行政法人改革などを皮切りに、「社会保障の効率化や規制改革を含め、聖域なき行政改革を進める」などとしている。

他の候補者も、赤松氏が「党提案を守るのは当然。30年代のできるだけ早くにゼロにしたい。国策として推進してきたのだから、国策として撤退したい」、原口氏も「赤松さんに近い考えだ。国会事故調の指摘している総括が必要、脱原発法による脱原発プログラムも必要だ。規制委人事は見直すべき」、鹿野氏は「30年代のゼロに向かって進んでいきたい。できるだけ早く、前倒ししたい」と語った。


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