10年後には雇用回復も 復興庁 短期・中期の姿も示す

復興庁は4日、福島県や関係市町村からの要請を踏まえ、概ね10年後に向けた原子力発電所の事故による避難地域の復興の姿と、それに向けた国の取組姿勢を示す「グランドデザイン」を発表した。

2年後程度の短期の復興の姿として、(1)避難指示解除区域を復興の前線拠点として、解除が見込まれる区域の復旧に繋げる(2)解除準備区域等の環境回復、インフラ復旧、生活基盤の回復を早期に構築する(3)住民が生活の再建に本格的に取り組める環境を構築する――ことをめざす。中期(5年後)には、(1)避難指示解除区域の拡大とともに広域交通インフラの復旧を進め、隣接区域と一体で復興を加速化する(2)産業振興・営農支援等を全面的に進め、安定した生活圏とコミュニティを形成する――とした。長期(10年後以降)には、(1)住民が健康で安心して定住する魅力ある地域を形成し、地域や人のつながりを大切にした地域社会の形成をめざす(2)新たな産業、研究・教育機能の集積を図り、事故で失われた雇用規模の回復に取り組む――ことを目標にしており、長期を見通すにあたっての検討課題への対応状況によっては見直しも必要とした。

国が実施すべき取り組みとしては、(1)生活環境の再生と社会資本の再構築(2)地域を支える産業の再生と雇用の創出(3)避難の状況に応じた生活の再建(4)放射線対策の強化――について指針を示し、具体的に進めていくとした。復興庁、厚生労働省、経済産業省は、企業の帰還や新規投資の促進、雇用拡大・就労支援等のための施策や取り組み状況をまとめた「産業振興・雇用促進プラン」を、復興庁、農林水産省、環境省は農林水産業再生のため営農等の再開に向けた手順や具体的な取り組み、事業支援メニュー等についてまとめた「農林水産業再生プラン」を掲げている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで