「年末までに考え示す」 今後の原子力政策のあり方 原子力委の役割、混沌

25日の原子力委員会で、政府が決めた革新的エネルギー・環境戦略を内閣官房の担当者が説明した。同戦略には、新たな原子力政策をエネルギー・環境会議の場を中心として確立するとの方針が示され、原子力委員会についても、廃止・改編も含めて抜本的に見直すとの文言が盛り込まれた。

原子力委員からは、「原子力政策は長期にわたるもので、政権交代しても継続性を確保することが重要」、「エネ・環境会議の法的位置付けは曖昧だが、我々は原子力基本法など法律に基づいて政策をつくっている」とする意見や、「原子力は拡大から縮小へ180度の大転換となったが、政策移行期間が必要だ」、「原子力大綱策定会議は一定の役割を終えた」などの根本的な意見も出された。

内閣官房の担当者は「書かれている内容の通りで、それ以上でもそれ以下でもない。この他のことは、何も決まってはいない」と説明し、「今後、政策は検証しながら、不断に見直していく方針となっている」と述べるにとどまった。

近藤駿介委員長は、委員の任期が実質的に切れる年末までに、原子力政策大綱と日本学術会議からの高レベル放射性廃棄物の処分政策についての回答に対する対応について、「整理してポジションを決めたい」と締めくくった。

関係閣僚によるエネルギー・環境会議(議長=古川元久・国家戦略相)が14日に取りまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の記述の一部

「政府は、以下の内容(同戦略)を盛り込んだ新たな原子力政策を、エネルギー・環境会議の場を中心として、確立する。なお、原子力委員会については、原子力の平和利用の確認などの機能に留意しつつ、そのあり方に関する検討の場を設け、組織の廃止・改編も含めて抜本的に見直す」。


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