事故教訓共有しエネ協力を発展 ASEAN+3

東南アジアのエネルギー問題について話し合うASEAN+3およびEAS(東アジアサミット)の大臣会合がこのほど、カンボジアのプノンペンで開催され、日本からは、昨年に続き北神圭朗・経済産業大臣政務官が出席した。EAS会合では、新たな協力活動として、原子力発電の安全管理を含む調査研究を日本のサポートも得て開始することが合意されたほか、ASEAN+3会合では、福島原子力事故の教訓を国際社会で共有するよう日本の貢献への期待が寄せられ、いずれも域内のエネルギー協力をさらに発展させていくこと、13年のインドネシア開催を確認し閉幕した。

EAS会合で議長を務めたカンボジアのスイ・セム産業鉱物相は、アジア/世界エネルギーアウトルックによる域内の1次エネルギー供給量が2035年に世界の62%にも及ぶ見通しから、「地域のエネルギー効率を改善していく活動が今後の世界のエネルギー展望に重要な役割を担う」とした。共同声明では、域内のエネルギー協力強化に向け、日本のサポートにより、(1)中長期エネ需給見通しの策定(2)クリーンコールテクノロジーによる石炭の戦略的活用(3)電力インフラの最適化(4)原子力発電の安全管理(5)スマート都市交通による運輸部門の省エネ――の調査研究を開始するよう留意すべきことなどが盛り込まれた。

一方、ASEAN+3会合では、同相より、福島原子力事故を安定な状態に至らせた取組を認識し、事故から得られた知識・教訓を、引き続き国際社会と共有するよう日本に対し期待が述べられた。

また、核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの活動進捗、域内各国間の政策研究・分析をサポートする人材育成プログラムなどのエネルギー経済研究所による継続的協力にも言及し、これら日本の取組に対する歓迎の意は共同声明に記された。


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