原子力行政は前原戦略相が担当 野田第3次改造内閣が発足 環境相・原発事故担当に長浜氏 枝野経産相は留任

野田佳彦首相の民主党代表再任を受け、1日、内閣改造が行われ、前内閣から10人の閣僚が交替し、新たな野田第3次改造内閣が発足した。新内閣発足に際し、野田首相は記者会見で、財政・社会保障関連の政策課題への取組みとともに、引き続き、震災復興、原発事故対応、日本経済の再生を「最重要課題」ととらえ、全力を尽くしていく決意を述べた。

初閣議では、福島の復興・再生への全力傾注、「革新的エネルギー・環境戦略」の遂行、日米同盟を基軸とした外交深化などを掲げる基本方針が確認された。

新閣僚陣の顔ぶれは、本紙関連で文部科学相に田中眞紀子氏、環境相(原発事故収束・再発防止、原子力防災担当)に長浜博行官房副長官、国家戦略担当相(科学技術政策、原子力行政他担当)に前原誠司民主党政調会長が就任、枝野幸男経済産業相は留任した。

田中文科相は初登庁後の記者会見で、科学技術振興、人作りに取り組む意欲を改めて示し、特に、エネルギー開発については、「人類の課題」として、その重要性を強調した。今般の革新戦略が掲げる「原発稼働ゼロ」に関しては、ドイツの例もあげ、「簡単にできるものではない」として、具体化には、代替エネなど、研究開発を進める必要があることを述べた。また、「もんじゅ」については、旧科技庁長官時の現地視察の経験にも触れ、「このまますぐ止めてしまうのではなく、研究開発に活用していくのが望ましいと思う」としている。

長浜環境相は、福島原子力災害対応に関して、安全維持に万全を期した廃炉対策、事故の再発防止、廃棄物処理や除染対策を、また、13年以降の地球温暖化対策への取組みを図ることなど、首相より指示を受けたと述べ、今後、「現地に足を運び声を聴く」として、現場主義の姿勢を示すなどした。

前原国家戦略相は、「革新的エネルギー・環境戦略」を踏まえ、関係自治体や国際社会と責任ある議論を進め、国民の理解を得ながら、グリーン政策大綱策定へとつなげることなど、首相より指示を受けたとし、中長期の国家戦略推進に向け、「いかに国力を上げるか」と抱負を述べた。また、革新戦略に示された原子力委員会の抜本的見直しについては、専門家の意見も踏まえ、廃止も含めた在り方に関する検討を行い、「予断を持たず現実的な対応を図る」などとしている。

また、留任となった枝野経産相は、2日の閣議後会見で、革新戦略を踏まえたエネルギー政策の再設計を図るとし、その大きな骨組として、電力システム改革の制度設計に早急に取り組むなどと抱負を述べた。


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