作業Gが出資問題解決へ ビサギナス計画でバルト3国が合意

リトアニア、ラトビア、およびエストニアのバルト3国の首相達(=写真)は9月20日、リトアニアの首都ビルニュスで開催した3国閣僚会議の席上、共同で進めているビサギナス原子力発電所建設計画に係わる課題は今後、3国の政府間作業グループを設置して協議していくこと等で合意した。

出資を伴う戦略的投資家としてABWRの建設を提案している日立製作所を含め、3国の地域パートナー達が出資問題などの重要課題に関する交渉を早期に終結させ、プロジェクト会社を設立することが目的。また、14日には同計画の是非を巡る国民投票がリトアニアで実施されることから、その結果についても配慮するとしている。

ビサギナス原発計画の進捗状況と今後取るべき行動について3国が合意した内容は、首相3名の署名とともに以下の項目を明記した「覚書」として公表された。

▽3首相は、欧州委員会が欧州原子力共同体(ユーラトム)条約等に照らし合わせてビサギナス計画に好意的見解を表明したことや、投資家全員により運営委員会が設置され、リトアニアの特別作業グループと協働している点を歓迎。リトアニア議会が同計画の事業権付与契約とその関連法案を承認したことを確認。

▽3首相は、特別作業グループにより未解決の課題を出来るだけ早期に解決する必要性が強調されている点に注目、参加者がプロジェクト会社に多額の投資を行う前に、法的強制力を持ち、信頼できる法的形態で投資条件を設定しようとするリトアニア政府の取組みにも注目している。

▽3首相は、ビサギナス計画に関する以下の行動をタイムリーに実施する重要性を強調。すなわち、(1)日立を戦略的投資家として、また、ABWRを望ましい技術として選定した入札を成立させる必要手順として、プロジェクト会社を設立し、事業権付与契約に署名する(2)3国を代表する投資企業と日立が未解決課題に関する交渉を完了し、14日にリトアニアで行われる国民投票の結果を考慮するよう促す(3)政府レベルの課題の解決を支援・調整するため政府間作業グループを設置する。

なお、これとは別に3首相は、ロシアとベラルーシがビサギナス原発と地理的に極めて近い位置にそれぞれ、原子力発電所を建設中あるいは建設準備中である事実に言及。これらがビサギナス原発の経済性を脅かす存在にもなり得ることから、「国際的な原子力安全基準に則り、包括的で透明性のある方法でリスクと安全性の評価を実施すべきだ」と牽制した。


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