ウランを中国に初出荷 中国が買収した豪州の資源会社

豪州の大手資源開発企業であるエナジー・メタルズ(EM)社は9月24日、中国の広東核電集団有限公司(CGNPC)に向けて初めて、ウラン精鉱(イエローケーキ)を出荷したと発表した。

中国が進めている大規模な原子炉建設計画で今後必要となるウラン燃料を大量に確保するためのもので、昨年12月に両社が結んだ天然ウラン精鉱販売契約に基づいている。豪州産ウランはこれまで、実質的に3%しか中国に輸出されてこなかった(2009年実績)ことから、EM社は今回の取引により、世界の既知ウラン資源量の約4割を保有する豪州が、莫大な需要ポテンシャルを有する中国の原子力市場に大々的に参入する機会が生まれたと強調しており、両国間で新たなウラン取引ビジネスの幕が上がったことを喜んでいる。

EM社は豪州の北部準州と西オーストラリア州で、ビッグルリーイ鉱山を含む9つのウラン探鉱プロジェクトを保有し、豪州の証券取引所にも株式を上場。2009年にCGNPCが同社を買収することで両者が合意した後、CGNPC傘下の中国ウラン開発会社(CUD)が同社株の6割を取得していた。

豪州における取引ではまず、EM社の子会社であるNTエナジー社が豪州の独立系供給業者からウラン精鉱を「仕向地持ち込み渡し(DAP)」ベースで購入。ウランは10月半ばにも中国に到着し、CGNPC傘下のウラン資源会社(CGNPC−URC)に転売されることになっている。


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