結論はベストミックス 田中文科相 原子力の役割語る

先般、発足した野田改造内閣で、新たに入閣した田中眞紀子文部科学大臣が12日、記者団とのインタビューに応じた(=写真)。ここでは主に、本紙に関連した内容を紹介する。

田中大臣は、1994年6月〜95年8月、村山内閣の時に、科学技術庁長官を務めた経験がある。国政入りして間もない当時、多くの研究施設を視察した経験を「非常に勉強になった」と振り返りながら、今後の原子力エネルギーの役割に関する質問に対し、まず「結論はベストミックスでいくしかない」と応える。毎週末に官邸周辺で行われる反原発運動のシュプレヒコールも議員会館内から耳にするところ、「どうも日本は『右といえば右』という風に極端な面がある」と述べた上、ドイツの脱原子力政策の例をあげながら、「数字を出しても、そう簡単にいくのか」とし、化石燃料利用の効率化、代替エネルギーの研究開発など、「色々なものを、すべて同時並行でエンジンを回していく以外ないのでは」と応えた。

一方、核燃料サイクル政策に関しては、「ゴミの問題について方向性をしっかり出さないところで進めるのは矛盾があるのでは」として、進まぬ放射性廃棄物処分の問題を第一に指摘する。

また、国際熱核融合実験炉(ITER)計画については、「コストの問題もあるが細々と進めていった方がよい」などと、次世代エネルギーの研究開発継続の必要性を述べた。

「地球は予測不可能な中にいる」と、田中大臣は警鐘を鳴らし、特に、食料安全保障を第一に掲げ、「自分のできることは自分で」などと、3・11以降の所感を述べた。

田中眞紀子(たなか・まきこ)氏 衆院議員(新潟5区)。68年早稲田大学第一商学部卒。93年衆院初当選、科学技術庁長官、外務相など歴任。68歳。


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