福清と昌江で丸屋根を設置 中国

ここ半月ほどの間に、中国で建設中の原子力発電所プロジェクト2件が相次いで建設工事の節目を迎えた。どちらも中国核工業集団公司(CNNC)が自主技術開発した秦山I原子力発電所(PWR、30万kW)を大型化した「CP」設計になる予定で、世代は第2世代に相当する。

1件目は海南島で進められている昌江原子力発電所2号機の計画で、出力は65万kWにスケールアップした「CP600」となる。すでに同型の秦山U期工事3、4号機が完成しているほか、同じサイトで建設中の昌江1号機も昨年末に原子炉建屋への丸屋根設置が完了した。

CNNC傘下の中国核建集団公司(CNECC)によると、昌江2号機の丸屋根設置作業は9月25日の早朝に実施。1号機の経験を活かし、173トンの丸屋根が円筒形の建屋上部に成功裏に設置されたとしている。

もう1つは福建省の福清原子力発電所3号機計画で、出力は100万kWの「CP1000」に拡大。9日に建屋の丸屋根を設置しており、高さ11m、直径37m、重さ160トンの丸屋根の吊り上げと設置作業は30分ほどで完了した。

同サイトではすでに、同型の1、2号機の建設作業が進んでおり、それぞれ2013年と14年の完成を計画。最終的には合計6基が同サイトに建設されることになる。

中国では近年、ウェスチングハウス社のAP1000を中心とする海外技術の導入・国産化路線が勢いを増しているが、国産炉路線の方もCNNCの「CP」に加えて、中国広東核電集団有限公司(CGNPC)が仏国の技術をベースに開発した「CPR」も一部のサイトですでに原子炉が運転を開始。しばらくはこれらの設計開発利用が並行して行われると見られている。


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