政府のエネ環境会議中心に策定 前原戦略相「省エネ拡大で原発ゼロ見えてくる」 年末目途に各計画を策定 原子力政策も確定へ

エネルギー・環境会議が19日に開かれ、9月に決定した「革新的エネルギー・環境戦略」について、年末を目途に実施する検討事項を確認した。原子力政策に関しては、原子力委員会における政策大綱の審議が中止となったため、エネルギー・環境会議の場を主体に議論されることとなった。

同戦略の決定後、初めての開催となった今回のエネルギー・環境会議では、当面は年末にかけ、「実施に直ちに着手する」ことを第一に掲げ、各種大綱・計画の策定作業を進めるとともに、喫緊のエネルギー需給問題については、予断を排して厳正に評価し、節電等の要否を含め判断するとしている。

原子力政策については、(1)核燃料サイクル政策(2)人材や技術の維持強化(3)国際社会との連携(4)立地地域対策の強化(5)原子力事業体制と原子力損害賠償制度――を盛り込むべき内容とし、エネルギー・環境会議の場を中心に議論する。また、エネルギー戦略にも記述された原子力委員会の見直しは、あり方に関する有識者会合を近く設置し、組織の廃止・改編も含めた検討を行い、年末までに結論を出す。

原子力政策他、エネルギー戦略で具体化すべき各項目に関しては、それぞれの関係省庁において検討を行うが、今夏にまとめた「日本再生戦略」の重点化につながる「グリーン政策大綱」については、エネルギー・環境会議が主体となって、年末までの策定を目指し議論を進めていく。

前原誠司・国家戦略担当相は、19日の会議終了後の会見(=写真)で、先般の六ヶ所村、むつ市への訪問について触れながら、核燃料サイクルは継続していくとし、「今後の省エネ・節電対策の拡大の中で、『原発ゼロ』への行程が見えてくると思う。緊密に自治体と連携の上、協議していく」などと述べた。


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