地域防災計画改定で要望 規制委 立地自治体よりヒア

原子力規制委員会は17、19日、改正法令により規定される「原子力災害対策指針」の策定に向け、立地地域からの意見聴取を行った(=写真)。

その中で、地域防災計画の見直しや、住民避難に関して、国による具体的方策や基準が早急に示されるべきといった自治体からの要望に対し、委員からは、地域レベルでの原子力防災対応立案に向け、ひな型的なマニュアルを提示する考えが述べられるなどした。同委は、これに先立つ3日、指針のたたき台をまとめ、関係自治体に送付し意見を求めている。

福島県からは、発災直後の初動対応の検証結果から明らかになった課題、それを踏まえた地域防災計画見直しの方向性について、災害対応体制、情報連絡体制、住民避難対策、物資の調達・輸送の4つに分けて整理した上、国において具体的方策を示すべき事柄を列挙。復興再生も見据え、県の実情を踏まえた指針を策定すべきとする意見があった。

また、全国原子力発電所所在市町村協議会より獄勤治事務局長が出席し、指針たたき台に対し、加盟自治体より寄せられた意見内容について説明した。その中で、避難時の輸送手段確保に関して、県域を越えた対応が必要となる場合、国が主体となって交通事業者への指示・調整を行うべきといった意見があげられたほか、福島原子力災害を振り返り、放射能汚染に対する誤った認識から、必要な物資が被災地に届かぬ事態が生じたことから、国民全体への放射線教育の重要性にも言及している。獄氏は、「今でもわれわれの仲間が避難生活を余儀なくされている」として、原子力立地地域の現状に対する理解を切に訴えた。

原子力発電関係団体協議会からは、特に、青森県内に立地するサイクル施設の特性にも応じ、発電所以外についても、原子力災害対策を重点的に実施する区域の設定が早急に検討されるよう求める意見があった。

規制委員会では、これら自治体からの意見や、関係機関からのヒアリング状況も踏まえ、10月中にも原災指針案をとりまとめる。


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