露の協力で設計開始 ウクライナの燃料加工工場ロシアの総合原子力企業ロスアトム社は18日、ロシアの協力によりウクライナで建設する燃料成型加工工場の設計作業が同社・機械エンジニアリング部門の一部であるGSPIで始まったと発表した。ウクライナで稼働するロシア型PWR(VVER)への安定的な燃料供給を通じて、エネルギーの自立を保証していくための施設で、2020年以降の完成を予定している。 ウクライナでは現在稼働中の原子炉15基のうち13基が出力100万kWのVVER1000であるほか、さらに2基を建設中。VVER1000専用の燃料市場は現在、ロシアのTVEL社がほぼ独占しており、08年にウェスチングハウス社がウクライナの一部のVVERに対する燃料供給契約を獲得した程度だ。 こうした背景から、ウクライナは国内で安定的に燃料の製造・供給が可能となるよう体制の構築を検討。国土の中央部に位置するキロボフラード州のスモリーネ村マラー・ビースカ地区で燃料成型加工工場を建設する入札を実施し、2010年9月にTVEL社を選定した。ウクライナ国営原子燃料会社とTVEL社は直ちに51%対49%の出資比率で合弁会社「原子燃料製造会社」の設立契約書に調印したほか、枠組協定も締結。今年6月には、同工場の設置および設計・建設に関する政令に基づき、ウクライナ内閣が建設計画の実行可能性調査結果を承認していた。 同工場は6.8ヘクタールの敷地に20億〜30億グリブナ(約200億〜300億円)を投じて建設され、最終的な燃料集合体製造能力は800体/年になる予定。作業は(1)今年から15年まで(2)16年から20年まで――の2段階で実施することになっており、(1)の期間中は主に設計段階の作業文書作成が行われるとしている。 今月4日には建設準備作業の開始式典も開催され、ウクライナのM.アザロフ首相に加えてロスアトム社のS.キリエンコ総裁も出席。着工を記念する杭を敷地に打ち込んだ。 |
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