防護具の着脱を解説 規格協会 原子力業務も展開

一般財団法人の日本規格協会(JSA)は、主な事業として、日本工業規格(JIS)や国際規格、海外規格の規格票および関連書籍の販売のほか、品質管理等セミナーの企画、開催を行っている。近年では、原子力産業界のさまざまな事業への貢献も視野に入れ、より幅広いサービスを展開している。

セミナー関連では「食の安全セミナー」を開催しており、過去3回のセミナーで、(1)食品の放射能とそれへの対応──放射能汚染と安全な食品を提供するには(2)食品中の放射性物質の新たな基準とそれへの対応および測定方法のポイント(3)食品中の放射性物質の測定方法の実際と食品トレーサビリティ放射性物質と食品──に関する内容を取り上げた。

安全・安心をキーワードに、「製品安全セミナー」も実施しており、市民の関心事に応えるべく、要望も聞いている。

書籍関連では、JISハンドブック「bV6 放射線測定2012年版」を販売。それには原子力用語をはじめ、線量測定、環境放射線測定、表面汚染測定、液体状放射性物質測定、ガス状放射性物質測定、空気中浮遊物放射性物質測定、放射線検出器、防護用品、工業用放射線、密封放射線源などの分類で、全53件のJISが収録されている。また「bR9 放射線(能)」は、12年度版より「bV7医用放射線」として10月から発売した。

海外規格について、来年は米国機械学会(ASメートルE)のボイラおよび圧力容器基準(ボイラーコード、BPVCとも呼ばれる)の3年ぶりの改定発行年となっている。JSAはASメートルE承認の日本販売代理店。そのほかにも、米国材料試験協会(ASTメートル)、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)の規格、米国保険業者安全試験所(UL)、アメリカ国防総省が制定した軍事物資調達規格(メートルIL)などの世界各国の規格も取り扱っている。

単行本では、『わかりやすい放射線測定―見えない放射線はこうやって見る』と題して、12月に発行予定。また、この内容に関するセミナーを年末から13年初に予定している。

JSAの新たな試みとして、10月末には動画による「放射性物質に対する保護衣・保護具の着脱のポイント」などの解説DVDも発売開始した。

JISには、放射性物質に対する保護衣・保護具及び放射線測定器に関する代表的な規格が9件あり、各製品の性能・構造等が規定されている。しかしJISには、それぞれの保護具の着脱方法までは記述されていなかった。現場では、いかにJISに準拠した製品を使用したとしても、その着脱方法が不適切であると放射線汚染から十分に身を守ることができないことから解説を加えたもの。

本製品では、身体表面汚染に対する保護具(防護服、防護用手袋、防護用作業靴)、体内汚染に対する呼吸保護具(防じんマスク、防毒マスク)の適切な着脱の順序と方法、脱衣後の保護具の取り扱い、放射線測定器を用いた測定模擬について、映像でわかりやすく説明している。現場で活躍する人々の、より安全・安心な作業環境のために活用してほしいとしている。コンタクト先は、同協会ホームページから。


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