チェコ政府が新たなエネルギー政策 30年後、原子力シェア5割にチェコのP.ネチャス首相は8日、同国の新しいエネルギー政策が閣議決定されたと発表し、2040年までに原子力発電シェアを少なくとも50%まで拡大する戦略が含まれることを明らかにした。現在、建設工事の入札作業中であるテメリン3、4号機の完成に加え、ドコバニ5号機を増設することを前提としたもので、これにより高経年化した石炭火力設備への依存を下げるのが主な狙いだ。 この発表は閣議による承認後、産業貿易省のM.クバ大臣を伴った記者会見の席で行われた。同首相によると国家エネルギー政策案は産業貿易省・専門家作業部会との協力で策定したもので、今後、最終決定するための承認手続きに回されることになる。 同政策の基本戦略は産業界のみならず国民1人1人のためにエネルギー価格を許容レベルで維持するという保守路線であり、チェコの発電産業を合理的な物理原則により維持するという内容。バランスの取れたエネルギー構成の達成が戦略的な優先事項だとしており、電力の8割は国産の資源で賄う方針である。 このため、2040年までに総発電電力量に対する原子力発電量のシェアを現在の33%から少なくとも50%まで拡大し、現在6割を占めている石炭火力のシェアを20%まで削減する。同国内の石炭火力発電所は経年劣化しつつあることから、今後の利用は主に、熱供給が効率的と思われるエリアに集中していくことになる。 ここで前提となるのは現在チェコ電力公社(CEZ)がテメリン原発で進めている3、4号機の完成計画だ。現在、ウェスチングハウス(WH)社製・AP1000、ロシアとチェコの企業が提案するMIR1200を候補に入札を実施しており、2020年頃までにこれらの2基を完成させるとともに、既設の2基を加えた同発電所の全4基で運転寿命の延長も計画。長期的にはドコバニ原子力発電所の4基に5号機を加えることも視野に入れるとしている。 |
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