オイスタークリークで再調査 米規制委米原子力規制委員会(NRC)は13日、ハリケーン「サンディ」により、先月に警戒宣言が発令されたエクセロン社のオイスタークリーク原子力発電所で特別点検を開始した。緊急に安全上の懸念があったわけではないが、取水口近くで水位が規定値を超えた際の現場活動や手順について詳細に審査するとしている。 「サンディ」が10月29日に東海岸を通過した際、同発電所は燃料交換と保守点検のため計画停止中。「サンディ」による高波と風向き、上げ潮が重なったため、取水口近くの水位は午後7時頃に基準海面から4.5フィート上まで上昇。運転員は4段階の警戒宣言の一番下である「異常事象」を宣言した。午後9時前に水位が6フィート上に上昇し、警戒宣言は下から2番目に引き上げられたが、水位は翌30日の朝、同宣言の解除レベルまで低下していた。 NRCでは今回、3名の検査官チームを同発電所に派遣し、「サンディ」通過時に常駐検査官が行った審査を一層詳細に実施する。水位の上昇がどのようにモニターされ、どのようにそれらの情報が伝達されたかなど、警戒宣言を巡る活動の状況に審査のポイントが置かれている。 なお、同発電所を所有するエクセロン社のC.クレイン最高経営責任者(CEO)は15日、一部のメディアに対して、同発電所を運開後50年が経過した時点で、すなわち運転認可の満了予定日より10年早い2019年に閉鎖する計画を改めて表明した模様。 同発電所は2009年に運転認可の20年延長が認められ、現在の認可は2029年まで有効。しかし、地元州の環境保護局が10年1月、冷却水の取放水に関する認可の更新条件として冷却塔の設置を義務付けるとしており、電力価格低迷時における冷却塔建設費7億〜8億ドルの経済的影響や、安価な再生可能エネルギーを勘案した結果と見られている。 |
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