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石棺の修復で新たな覆い 欧州復興開発銀行中・東欧諸国の経済体制転換を支援している欧州復興開発銀行(EBRD)は11月27日、同行の基金により、1986年に事故を起こしたチェルノブイリ4号機の石棺修復で新たな閉じ込め覆いをかぶせる第1段階の作業が完了したと発表した。完成は2015年を予定。事故後26年が経過し、老朽化した石棺から放射性物質が再び拡散するリスクを軽減するとともに、石棺とその内容物の崩壊を長期的に抑えることが可能になるとしている。 石棺を覆うアーチ型の構造物は、完成すれば長さ257m、幅164mで高さ110m、重さは2万9000トンに達する。5000トンの鋼材で作られた同構造物の一部(=写真)は、建設エリアで予備的に22mの高さまで吊り上げられた。第1段階のこの作業が無事に完了したことについて、EBRDのS.チャクラバルティ総裁は「チェルノブイリ事故で大きな被害を被ったウクライナやベラルーシおよびその他の全ての国の人々が、同事故の遺物に打ち勝つための重要な一歩になった」と強調している。 建設費は世界40か国以上からの拠出金をプールしたEBRDの「チェルノブイリ・シェルター基金」を通じて支出。シェルターの実行計画を支援するために同基金から支払われる金額は15億4000万ユーロに達する見込み。このうち3分の2が今回の構造物設置に投入されることになる。 お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |