建設許可申請を提出 チェコ電力、テメリン増設で

テメリン原子力発電所3、4号機の完成計画で採用設計の入札を実施しているチェコ電力(CEZ)は11月30日、両炉の建設許可申請書を政府の原子力安全局(SUJB)に提出した。同国の原子力法に基づく許認可手続きで、CEZはこれに伴い、入札保証報告書も同日に提出。SUJBによる両文書の審査を通じてメーカーの選定手続きや環境影響評価など、同計画の詳細情報について最大限の透明性と公開性を図ることが目的だ。

入札保証報告書は830頁という膨大な量の文書で、CEZや原子力研究協会の専門家35名が作成に参加。建設サイトの気候や地質学的、水理学的、および地震学的状況など自然条件のほかに、地元でのガス採掘や産業生産品といった近隣住民の活動も含めた特性を主に記述・評価する内容だ。また、3、4号機完成計画のコンセプトや品質問題、工事に伴う交通量による環境影響に加えて、廃止措置オプションや放射線防護の分析も網羅。CEZは同報告書の最も重要な成果は、規制上のすべての基準を満たすことになる新設炉の設計原則が固まった点だと指摘した。

同プロジェクトの安全性・品質管理マネージャーによると、こうした文書の作成にあたり、既存の1、2号機が積み重ねてきた膨大なデータや安全実績およびストレス・テストの結果などが部分的な助けになった。しかし、最新の評価手法に合わせていくつかのデータは更新や補足が必要だったほか、チェコの原子力規制のみならず国際原子力機関(IAEA)や西欧原子力規制者協会(WENRA)の安全基準で要件を満たせるよう、広範囲な分析作業を要したと説明している。

建設作業が一時期中断していた同計画では、2009年にCEZが改めて公開入札の手続きを開始。10年春までに第1段階の適性条件をクリアした(1)ウェスチングハウス社の企業連合(AP1000)(2)仏アレバ社(EPR)(3)ロシア企業とチェコのスコダ社の連合(MIR1200)――に対して昨年11月に詳細な入札招請書を手渡した。しかし、CEZは今年10月にアレバ社の提案書を不適格として候補から除外。アレバ社は入札への再参加を求めて提訴に及んでいる。


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