敦賀2号下に「活断層」 規制委評価会議が見解 原電は否定し、公開質問状

原子力規制委員会は10日、日本原子力発電・敦賀原子力発電所の敷地内破砕帯調査に関する評価会合を開き、有識者らによる現地調査結果を踏まえ、2号機(=左写真)原子炉建屋下に存在するD―1破砕帯が活断層として活動し、近傍の浦底断層と同時にずれを生じたと考えられるとの見解で概ね一致した。敦賀発電所は現在、1、2号機とも定検停止中だが、同日の審査状況を受け、田中俊一委員長は、「今のままで再稼働ということでの安全審査はとてもできない」などと所感を述べた。原電は見解に納得せず、公開質問状を提出し、今後さらに追加調査を行うことにしている。

敦賀発電所敷地内破砕帯調査を率いた島ア邦彦委員長代理は、12日の規制委員会定例会合で、評価結果について社会の関心が非常に高いことから、取り急ぎ口頭での報告を行った。原電質問状への対応も含め、近く正式な報告書を取りまとめることとしている。

敦賀発電所敷地内破砕帯に関しては、旧原子力安全・保安院による行政指導下、耐震バックチェックの一環として、評価の妥当性について、専門家からの意見聴取が行われていたところ、今夏、「浦底断層の動きにひきずられた可能性がある」との指摘を受け、原電では、追加調査を計画・実施していた。

規制委員会発足後、10月17日、敷地内破砕帯評価に関する有識者会合の設置を受け、敦賀発電所については、関西電力大飯発電所に続く2サイト目として、現地調査が12月1日、2日に実施、10日に評価会合が行われ、原電からは破砕帯の連続性評価の考え方、調査対象の選定の仕方などを説明、トレンチを掘り広げ、有識者調査でも特に観察を行ったD―1破砕帯について、今後、審査に資する情報を提供すべくさらに追加調査を実施することを述べた。

敦賀発電所の調査に当たった有識者メンバーは、島ア委員長代理のほか、鈴木康弘・名古屋大学減災研究センター教授、堤浩之・京都大学理学研究科准教授、藤本光一郎・東京学芸大学教育学部准教授、宮内崇裕・千葉大学理学部教授。

評価会合では、「D―1は活断層である可能性が高い。安全側の判断が重要」、浦底断層との連動についても「原発敷地内にこのような起震断層があることは脅威」といった意見が出された。原電側の追加調査の意向に対し、田中委員長は、「調査を続けるなら続けていただきたい」と述べ、島崎委員長代理に文書での取りまとめを求めた。

会合終了後、有識者一同は記者会見に臨み(=右写真)、事業者による追加調査結果を待つこととしている大飯発電所と比べて審査が早かったのではとの質問に対し、島ア委員長代理は、「キチッとしたデータがそろっていれば意見は一致する」などと述べ、現時点における科学的判断であることを強調した。

評価会合を受け、原電は「到底受け入れがたい」とのコメントを発表、11日には規制委員会に対し、科学的見地からさまざまな疑問があるとして公開質問状を提出した。

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原子力規制庁の森本英香次長は、11日の定例記者会見で、評価結果に関する立地地域への説明の必要とともに、「新しい情報があれば新しい判断もありうる」として、原電による追加調査の状況によっては、再度評価会合が開かれる可能性を示唆した。

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電気事業連合会の八木誠会長は11日、今回の評価結果について、「国民に理解されるためには、十分な根拠に基づき慎重に判断すべき」とした上、今後、原電が行う追加調査のデータも踏まえ、規制委員会で、さらに詳細な検討を進めるよう求めるコメントを発表した。


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