燃料取り出しなど前倒し 福島第一廃止措置 ホット試験も準備中

福島第一原子力発電所廃止措置の進捗管理を行う政府・東京電力中長期対策会議は3日、実務レベルの運営会議を開催し、最近1か月程度の取組状況および今後の計画について確認するなどした。

去る11月7日に東京電力が発表した「改革集中実施アクションプラン」の中で、「福島第一をより安定な状態に迅速かつ確実に移行」との方針が掲げられたところ、中長期ロードマップに関しても、使用済み燃料プールからの燃料取り出しについて、先行する4号機では、13年11月頃開始、14年末頃完了を目標とするなど、作業計画の前倒しを目指している。

また、構内滞留水等に含まれる放射性物質濃度を、より低く管理する多核種除去設備では、A〜C系統の設備設置、系統試験が完了し、ホット試験(汚染水を用いた通水試験)開始に向け、準備を進めている。その中で、廃棄物を収容する高性能容器(HIC)のクレーン移送作業に備え、万が一の落下を想定した健全性確認試験(=写真)を実施し、内容物含め試験重量約4トンのHICを、鋼板やゴムマット上に3〜6mの吊り下げ高さから垂直自由落下させた。結果を踏まえ、ホット試験中は、HICへ補強リングを常時取り付け、吊り下げ高さは3〜4.5mの取り扱い範囲とし、落下面に緩衝材を設置するなど、運用方法を設定することとなった。

炉内燃料デブリ取り出し計画では、現在、13年下期の実施適用を目指し、格納容器漏えい箇所調査装置が開発中だが、プラント状態の早期把握のため、具体的には、2号機ベント管下部周辺について、四足歩行ロボット(東芝)による調査を、12月11日に行った。

また、労働環境の把握に関連し、作業員に対する就労実態アンケートが3日までに実施され、その結果を踏まえて、啓発活動、元請会社との協働対策、相談窓口のPR強化など、処遇・就労環境の改善が進められている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで