事故繰り返さぬ決意固く 福島閣僚会議 緊急時対応など連携

日本政府と国際原子力機関(IAEA)による「原子力安全に関する福島閣僚会議」が15日から17日まで、福島県郡山市のビッグパレットで開催され、約120の国や機関が参加した(=写真)。玄葉光一郎・外相とファディラ・ユソフ・マレーシア科学・技術・革新副大臣が共同議長を務めた。

15日の本会議では、玄葉外相が「世界のいかなる場所においても原発事故を二度と繰り返してはならない」と安全に対する決意を語った。天野之弥・IAEA事務局長は、「IAEAにとって福島第一原子力発電所事故への対応が今も最優先課題」と述べ、福島への支援に強い意欲を示した。さらに国連事務局長挨拶が代読され、各国の代表演説が続いた。

玄葉外相が主催するワーキングランチでは、長浜博行・環境・原発事故収束・再発防止・原子力防災担当大臣が、原子力安全の強化、除染・廃棄物処理、健康管理等についての日本の取組を紹介した。佐々木伸彦・経済産業審議官は福島第一原発の廃炉や原子力事業者の安全性対策等について説明し、今後の世界の原子力安全向上に役立てたいとした。

本会合と並行して、玄葉外相はフランスのバトー・エコロジー・持続可能な開発・エネルギー相やロシアのキリエンコ・ロスアトム社長と会談した。

15日のセッション終了後は、福島県および同県民の復旧・復興にむけた努力への賞賛や、日本政府からの原子力発電所安定化や線量低減についての報告への歓迎と除染進展の認識、IAEAの緊急時対応援助ネットワーク(RANET)強化などの緊急事態対応に係る努力や科学的かつ客観的な情報に基づく対応の重要性などを盛り込んだ声明を採択した。

また同日には玄葉外相の立会いのもと、佐藤雄平・福島県知事と天野IAEA事務局長が、放射線モニタリングおよび除染、人の健康、RANET機材を福島県内に保管するなどの緊急時対応で協力を進める「東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた福島県とIAEAとの間の協力に関する覚書」に署名した。

14日には会議開催に先立ち、福島第一原発、福島での除染活動および福島県内の被災地現場の視察等のサイトツアーが実施されたほか、被災地産品の安全性に関するワークショップも開催された。

15日夜の福島県主催の歓迎レセプションでは、佐藤福島県知事、玄葉外相、原正夫・郡山市長が挨拶し、郡山市の安積高校合唱部による日本の唱歌やいわき市スパリゾートハワイアンズのフラガールによるフラダンス、喜多方市の下柴彼岸獅子団による彼岸獅子などのアトラクションとともに、福島県の食材を使った料理が振舞われた。

16日、17日には「福島事故からの教訓」「事故を踏まえた原子力安全の強化(緊急事態に係る準備および対応を含む)」「放射線からの人および環境の防護」に関する専門家会合が行われた。


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